”アメリカ文学史―駆動する物語の時空間 (単行本) ”

p140より
彼の説明によると、人間が礼儀や教養を身につけるのは18歳から30歳までの時期だが、先の大戦を経験した若者たちは従前の自然な伝統が断ち切られてしまったために、そうしたチャンスを失ったという。かくして閃いたスタインは、当初、粗暴なヘミングウェイを戒める意味で「あなたがたはみんな失われた世代なのよ」”You are all a lost generation”なる有名な言葉を残し、それが聖書の「伝道の書」の一節「ひとつの時代(世代)が過ぎ去り、新たな時代(世代)が訪れる」”One generation passeth away, and another genelation cometh”とともに『日はまた昇る』のエピグラフに引用されて、以後、文学史上では19世紀的伝統と切断したモダニスト世代として定着するようになったのである。