”センダックの絵本論 (単行本) ”

子どもがどんな現実の中で生きているかを考えると、ある種の子どもの本の、真実の半分をしか見ようとしない姿勢は、まったく恥ずべきものだと言わざるをえません。そうした本は、争いや苦痛の影など微塵もない金ぴかの世界をひろげてみせますが、そうした世界をでっちあげるのは、自分自身の子ども時代の真実を思い出すことのできない−あるいは、思い出そうとしない−人たちです。そんな人たちの削除だらけの人生観は、本物の子どもたちの人生とは何の関係もありません。(p162-p163)